会長挨拶
静電気学会は1976年の設立以来、2026年に50周年という大きな節目を迎えました。この半世紀の間に、社会は高度情報化・電子化が進み、静電気は、目に見えにくく日常では意識されにくい現象でありながら、産業、医療、環境、宇宙、さらには日常生活に至るまで、これまで以上に重要な役割を担うようになっています。
静電気は、時として障害や事故の原因となるため、抑制・除去すべき対象として扱われてきました。一方で、その特性を正しく理解し制御することで、材料プロセス、デバイス技術、環境・バイオ分野などにおいて、新たな機能や価値を生み出す応用技術としても発展してきました。本学会は、こうした「静電気を抑える技術」と「静電気を活かす技術」の双方を学術的に扱う、国内唯一の専門学会として、基礎から応用に至る幅広い研究交流を支えてきました。
また、静電気は一般の方々にとっても非常に身近な存在です。日常生活における不快感や電子機器への影響など、負の側面が注目されがちですが、その背後には産業や先端技術を支える有用な側面も存在します。50周年を迎えるにあたり、本学会は専門家同士の議論の場にとどまらず、静電気に関する正確で分かりやすい情報発信や、社会との対話を通じた理解促進にも積極的に取り組んでまいります。
次の50年に向けて、静電気学会は、若い世代や異分野の研究者、さらには一般社会との新たなつながりを大切にしながら、静電気学の発展と社会への貢献を両立させていきたいと考えています。今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
静電気学会会長 杤久保文嘉(東京都立大学教授)